森林消失とコボクロ

私たちが今年アマゾンに行っていた間、泊まっていたロッジの所有者、ミゲル ( Miguel Rocha) さんは、インディオと白人の混血。
ブラジルではこの人達をコボクロと呼ぶ。

インディオのことは比較的知られていても、コボクロのことを知っている人は少ない。
インディオ達は、今も差別の対象になっているとはいえ、政治運動や、国内外の知識人の支持によって、保護地区を獲得し(もともと自分たちのものだったんだけど)、問題は山積みだけれども、生活環境をある程度保障されている。

ところが、コボクロには何の保障もない。
しかも、不法の森林伐採を続けるコボクロたちを、森林保護のために強制的に都会に移住させる方針を、政府がとっているため、森に生まれ、なんの技術もない人達が都会に放り出されることになる。
仕事にありつける資格も何もない、この人たちの行き着く先は想像するに難くない。
娘たちは売春に、男の子たちはドラッグディーラーに、というのがほぼお決まりのコース。

それに、どうも近いもの同士は憎みあうという多々の例にもれず、インディオとコボクロは反目しているみたいだ。
政治意識のかなり高いインディオの友人でもコボクロのことは好く言わない。
ミゲルさんも、インディオのことを怠け者だ、とけなす。
お互い、問題の根本は同じなんだから、協力すればいいと思うのに、そんなに簡単なことではないらしい。

それはともあれ、現在、アマゾンの森林消失の大きな原因の一つが不法伐採。けれども、当のコボクロにしてみれば、家族を養い、生きていくための、唯一の資源は森林伐採だから、オルターナティブを提供しない限り、この状態は続いていくだろう。

そこで、ミゲルさんは自分の家のある、Nova Airaoという小さな町の周辺のコボクロのために職業訓練学校を経営している。
ユネスコにも認定された、基金(Almerinda Malaquias Foundation - ミゲルさんに教育を受けさせてくれた、ミゲルさんのおかあさんの名前から命名)を創設し、Nova Airaoにある小さい造船所の、あまった材木、流木、森の中の死木、不法伐採で一番いいところだけを切っていかれた後の木の部分(ミゲルさんはこれを称して、象牙をとられた後の象みたいだ、と言った)などを拾い集め、それでもって、民芸品をつくることを教えている。

ミゲルさんの娘婿がスイス人で、木工に詳しく、彼が大きな援助になっている。スイスにも姉妹協会を設立し、ヨーロッパで寄付など集め、また、ブラジルおよび、ヨーロッパのマーケットとかクリスマスマーケットなどで、製品を販売している。

最初は殆ど誰にも相手にされなかったけれど、今や大人気のこの学校は、入校するための、ウェイティングリストがどんどん長くなりつつあるそうだ。

ここで働く人達は工程の初めから終わりまで、全部自分でできるように訓練されている。
制作した作品には自分の名を刻む。工賃は出来高給で、私たちにとってはすごい少額に思えるけれども、彼等にとっては、他では得ることのできない、貴重な現金収入である。

そのコボクロの職業学校を訪問しました。
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焦げた、焼け残りの木から、新しく誕生する製品。
変態を象徴する蛙がここの一番の人気商品です。
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この男の子はまだ17歳、でも彼のつくるミニチュアはすごい!
このまま腕を磨いていったら、どんなに素敵な作品を作るだろう!
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アルマジロ
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いるか
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これは当然、買ってきました。
リヨンのアパートに飾ってあります。

働くコボクロたち。
男女両方。年齢も様々です。
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この木は着色してあるのではありません。
自然にこういう色なのです。
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こういう様々な色の木を組み合わせて、面白い製品を作り上げていきます。
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「ブラジル」というのも、木の名前です。
染料として有名でした。現在でも工芸品などで、たまに使われています。

工場を見て、感動したのは、働くコボクロさんたちの姿だけではありません。
実は私は工場が大好きなのですが、ヨーロッパではもう見かけられなくなった、手動の機械が一杯。
この機械は、コンピューター制御の機械にとってかわられ、ヨーロッパでうっちゃられていたのを、もってきたものなのだそうです。
ちゃんと作動する機械がもう一度、ここで働いている!
私にとっては、森林消失に抵抗する運動と共に、感動できることでした。
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ミゲルさんは本当に木が好き。
たしかに、こういう、なにげない余り木にもすごい魅力がある、と感じるのは私だけでしょうか、、、
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ここが有象無象の木の置き場。
ミゲルさんがおとうさんに見せているのは椰子の葉っぱです。
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これからは家具に進展しようというので、現在、木を乾かす工程について、勉強中なのだそうです。
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ちなみに、ブラジルでは、木を乾燥させるということをしないらしい。
家を建てる時、どうするんだろう?

完成品の棚。
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私たちが訪問した時は丁度、スイスのクリスマスマーケット用に出荷したばかりだったので、あまり残っていませんでした。

Nova Airaoの外に出ると、こういう、森林を燃やしている現場に沢山いきあいます。不法伐採と同じく、森林消失の大原因である、牧場化と、大豆畑。これは牧場にするために、森林を燃やしているところです。
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短いですが動画にとりました

ブラジルの森林も含めて、今世界の原生林はものすごい勢いで消滅しつつあります。アマゾンに関していえば、森が発する酸素よりも燃える森林が出す二酸化炭素のほうが多い、アマゾンは今や公害の原因となっている、と言われるほどです。
森林消失に反対する抵抗運動は小さい土地を買うとか、植林運動など色々あります。
ミゲルさんのやっていることはすごく小さいスケールですが(インターネットのサイトまで無い!)彼等の強みは現地に根をはっていることです。
こういう小さい運動が沢山できてくれればいいなぁと思います。
とても勇気づけられました。

ところで、この燃えている森林をみて、はっ。
私がいつも自然豊かだなぁ、と思っている、アルプスの田園風景は実は森林消失した後の風景なのだ!
おとうさんが、ここは人間の手が入りすぎている。
もっと原生林に近い森に住みたい、と言っていたことが腑に落ちました。
新大陸の原生林を知っている人達の目から見れば、これは破壊された自然に見えるのだ。

それって、やっぱり、遅いんじゃない、気がつくのが。
私なんか、とっくにわかってたわよ。
この状態が自然じゃないっていうのは。
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関東圏の里親募集ですが、2頭のアメショに似た可愛い子にゃんこ、茶トラの
ハンサムさん、3頭とも引き続き募集中だそうです。
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この子は男の子ですが、里親候補さんの都合でお見合いがキャンセルになったそうです。

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ホビットの本にのっかっている、この女の子も里親さんとお試しになったのですが、ご縁がなかったようで、引き続き、新しい家族を探しています。
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茶トラちゃんも里親募集継続中です。
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by tieta4u | 2006-10-30 04:35 | 旅行記
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